期 日:1997年9月27日夜〜28日
メンバー:L川名/SL菅野(カンスケ)/トラ杉/TAO/日だまりの亀/うたつやま/街戸絹虎/きすげ/Kao-bee/前夜祭 09/27(土)天候:薄曇り
新宿→渋沢(タクシー)→滝沢園前〜倉見山荘前河原(テント泊)
関東FYAMA9月定例会の二次会を抜け出して、河原で三次会を開く
さあ出発だ 09/28(日)天候:薄曇り
テント〜戸沢出合〜(源次郎ノ沢)〜花立〜(大倉尾根・天神尾根)〜戸沢出合〜テント(撤収)〜林道前夜は夜遅く河原に到着。みんなのテントをインディアンの襲撃を恐れる幌馬車隊の様に丸く囲み、なんのことはない結局全員テントの入口から顔を出してちょっと間延びした定例会三次会に突入した。もっとも翌日の沢登りへの支障が無いように何も言わなくても全員自主規制に走っていた。そして今日、天気はあまりパッとしないがまずまずの日よりだ。全員身支度を整えて出発。テントはそのまま残して行く。戸沢出合の駐在所前でトイレ休憩をしていよいよ源次郎ノ沢に入沢する。巻き道を使い源次郎出合の堰堤上部に到着。ここで身支度を整える。今回はTomoさんが初体験。前回の東沢で参加はしているものの、今回初めて沢登りグッズ(渓流靴・ハーネス・ヘルメット)をそろえたきすげさんもいる。
全員快調に登る。もう9月も終わり頃ではあるが、まだ水しぶきが心地よい。源次郎ノ沢は連続して滝が続き、その滝のほとんどすべてが直登できるので楽しい。今回も場所によってはザイルを出して、すべて直登して登った。やっぱり巻き道はつまらないし、そればかりか、巻き道の方が危ない様なところも中にはある。時には飛沫を浴び、時には流水を避け、みんな思い思いに登った。
ところで今回2回ヒャッとした事があった。その一つは私の"でんぐりがえし事件"。何かというと、私が滝の上でビレーしていた時、しっかり登ってくる所を見ていればいいモノを、ついついいつもの調子で登り着いたメンバーとおしゃべりをしていたら、急にテンションがかかった。つまり落ちたのだけど、その時いい加減な格好だったこともあって、そのまま引っ張られてでんぐりがえしをしてしまったのだ。(恥ずかしい)幸い自己ビレーを取っていたから良かったモノの、もし何もビレーを取っていなければそのまま一緒に下まで落ちていた所だった。油断しないでビレーはしっかりしましょう。よそ見やおしゃべりもやっぱしいけないわな(^^;もう一つのヒヤッは落石だ。水流も涸れて沢が狭いルンゼ状の涸滝(落石が一番危ない場所だなぁ)で、上から石が落ちてきた。落としたのは先に登ったメンバーの一人だが、その岩に触れて落ち出すまでだいぶ時間差があったようで、ゆっくりと始まった落だった。大人の頭程ある岩がゴロゴロと転がってきた。丁度真下に私とKao-beeがいたが、お互いに左右に逃げて、まぁ逃げてと言っても狭いルンゼ状だったから、ちょっと体をひねる程度しか出来なかったが、幸い誰にも当たらずに終わった。何とも言えないきな臭いにおいが辺りに充満して、事が終わってからゾッとするパターンだった。ザイルが延びていたので、ザイルが傷つかなかったか確認して登り始めた。
やかて最後の滝F9に着く。途中休んでいた時に追い越された先行パーティがいた。全部で5〜6人、今登り始めたところでだいぶ待たされそうだったが、ここをパスしてはしょうがないと思い、腰を落ち着けて待つ事にする。TAOさんが、大倉尾根を登っている予定のズースーさん達に電話をかけているが、なかなかつながらないようだ。でもたまにちょっとつながって、こんな沢の中でもつながることがあるんだなぁと思った。ガスで日も射さず、しばらくじっとしていると寒くなってくる。先行パーティの中で苦労している人が何人かいて、この後リードする予定のカンスケは真剣にルートを見ているが、後のみんなはガタガタ震える方に忙しい。さあいよいよ我々の番だ。まずカンスケがリードする。いよいよとなるとみんなも真剣にカンスケの登りを見ている。今流行のクライミングジムの壁に比べれば何て事はないグレードだが、それでもここは本番。初心者コースといえどもバリエーションルートだ。今回の沢登りはカンスケがすべてリードしている。お陰で私は楽をしている。ビレーもみんなにやってもらう。これも私は楽だ。これからはそうしようと思う。去年からのメンバーは、そろそろ自分たちだけで登って、さらに誰かを連れてってあげられるようにならなくては、いままでやってきた甲斐がない。
さぁいよいよカンスケの後に私が登る。そして亀さんが登りビレーを代わってもらった。私はその後何をしていたかというと、あんまり寒くなったのでコンロを出してチキンラーメンを作り出した。自分一人で食べるつもりだった(考えが甘い)のに、次から次に上がってくるメンバーに次から次に食べられてしまい、結局自分のチキンラーメンを食べられたのは極々わずかだった。とっても悲しい僕……。
さて肝心な岩の方は、今回初体験のTomoさんやきすげさんも難なくクリアー。全員登り着いた時には、私のチキンラーメンもすべて無くなっていた。めげないめげない……。その後はほとんどガレ場登りに終始する。やがて沢と言うよりもただの急斜面状になり、何となく空も近くなってくると、稜線の登山道(大倉尾根)を歩く登山者達の話し声も聞こえてきた。ズースーさん達が居ないかと、誰かが大声を出すと、なんと答えが返ってきた。(ビックリ) そして源次郎の頭到着。ここは景色がいいし、なんと言っても他の登山者が居ないから、本当はここで休憩をしたかったが、ズースーさん達が待っているのでとにかく花立に向かう。そして花立到着。待ちくたびれたズースーさんとYakushiさんが出迎えてくれた。なんとズースーさん達は、"おしるこ"を作って待っていてくれた。ビールも美味しかったが、やっぱり飛沫を浴びて完全に乾いていない我らには、暖かいおしるこは何よりのごちそうだった。しかも何時間も前に着いて、どこにも行かずにただただおしるこを暖めて待っていてくれたらしい。どうもありがとう。
さて全員で下る。前方に秦野の町並みがきれいに見える。残念ながら富士山は見えていなかったが、それでも景色は最高だ。下りにくい階段を足取り軽く下った。途中、大倉に車を止めてあるズースーさん達と別れ、我らは戸沢出合に下りるため天神尾根に入る。ここはかなりの急勾配で一気に戸沢出合まで下りていてなかなか膝に来る。丹沢ではどこでも見られる泥がえぐれた道を下り、朝通り過ぎた出合に到着。もうすでに薄暗くなってしまった。テントに急ぐ。
河原のテントにたどり着いた時はすでに真っ暗の状態だった。手早く撤収。そして再度林道に登り着くと、そこには車で迎えにきたズースー&Yakushi組が……。とってもうれしい。もう暗くなった林道を全員車に乗せてもらい、渋沢駅に到着した。(またまた感謝です)
渋沢駅まえのお店で打ち上げ。生ビールで乾杯した。沢登りが定例会4次会とすると、これは5次会になるのかな?
以上
川名 匡(写真と文)
[Copyright(c) 1997 by Tadashi Kawana]
※本ページ掲載の写真の一部は日だまりの亀さんに著作権があります(ファイル名の頭に"k"がついてます)
また、提供写真のサイズや色調を当方で加工させていただきました。トリミング等はしておりません。
このページの感想を待ってます
一級遊び人:川名 匡
t_kawana@da2.so-net.or.jp